ハッピーモア市場

PHILOSOPHY

心も体も元気にするハッピーモア市場の想い

私たちハッピーモア市場は、新鮮で安全な農産物を皆さまにお届けすることを使命としています。
私たちは、地域の農家さんたちとの信頼関係を大切にし、
彼らが心を込めて育てた野菜や果物を皆さまの食卓にお届けしています。
ハッピーモア市場に訪れることで、体も心も元気になる、そんな場所を提供したいと考えています。

お客様と農家さん、そして地域とのつながりを大切にしながら、
これからも安心安全でおいしい食材をお届けし続けてまいります。

HISTORY

1994

  • 7

    有限会社ハッピーモア設立

2008

  • ハッピーモア市場本店がオープン。地域の農産品直売所としてスタート。

2021

  • 2

    宜野湾漁港近くの複合施設「ぎのわんゆいマルシェ」内にトロピカル店がオープン。

  • 11

    本店の営業を終了し、トロピカル店に機能を集約。

MESSAGE

わたしたちは、地域の農家が集まる直営店から始まりました。最初は野菜を集めるのに苦労したり、台風などの自然災害に見舞われる日々もありました。しかし、その困難な時期を支えてくれたのが、小さな農家さんたちでした。

小さな農家さんが育てる野菜。それは、自分や家族のために作られたもので、農薬はほとんど使われていません。家族が安心して食べられるように、愛情を込めて育てた野菜だからこそ、安心で安全なのです。そんな大切な野菜をお客様に届けられるのも、小さな農家さんたちのおかげです。

近年、農薬に依存した農業がもたらす健康被害が懸念されています。また、輸入に頼りすぎる現状は、農家さんを衰退させる恐れがあります。これが続くと、日本全体の食料不足という未来さえも現実のものとなるかもしれないという危機感を抱いています。

この状況を乗り越えるために、今度は私たちが農家さんを支えていきたいと思っています。農家さんを守ることで、お客様が身体に良いものを食べて健康に暮らせるようになります。そして、それによって地域のコミュニティも元気になっていく。そんな好循環を生み出していきたいのです。

小さな農家の応援隊から始まったハッピーモア。農家さんへの支援、食育、そして初心者でも農業を始められるような農業育成など、私たちがやるべきことはまだまだたくさんあります。これからも農家さんと共に、安心・安全な食材を皆様にお届けしていきます。

代表取締役 多和田 真彦

代表取締役 多和田 真彦

STORY

副社長の多和田敬子が地域に根ざしたファーマーズマーケット「ハッピーモア市場」の想いや、そこでのエピソードを紹介しています。
農家やスタッフとの絆、そしてお客様との心温まる交流など、日常に豊かさを感じる内容を綴っています。

ハッピーモア市場ができるまで
( 2018年1月から琉球新報で掲載 )

始めまして。
小さな農家の応援隊、ハッピーモア市場取締役の多和田敬子です。
この度ハッピーモア市場は、おかげさまで10周年を迎えることができました。このコラムでは、たくさんの方に支えられ一歩ずつ歩んできた10年間と、少し私のことについてもお話ししたいと思います。

ハッピーモア市場とは、ビニールハウスがトレードマークの宜野湾市志真志にある地域密着型のファーマーズマーケットです。
203坪の店内には野菜売り場、イートインコーナー、イベントブース、奥には自社栽培のハーブ園もあります。「おいしく楽しく野菜を食べる」「食を通して皆様の健康をささえていく」をテーマとしています。
立ち上げたきっかけはトマト農家である義理の父のビニールハウスの縮小でした。この土地は先祖代々100年以上受け継がれてきた場所で、戦争孤児だった義父の土地を守るという強い想いを引き継ぎ、ビニールハウスを利用した市場を始めました。

もともと不動産経営を主に行っていたので、そのノウハウを活かしてアパート経営をしようと考えていました。ですが、元は農地だったため農業以外で土地を活かす方法がありませんでした。
どうしようか悩んでいるとき、南部にビニールハウスを活用しているファーマーズマーケットがあり、そこからアイデアを得て市場を立ち上げることにしました。様々な人からノウハウを学び、試行錯誤して、現在のハッピーモア市場になりました。

最初は20人だった契約農家が、現在では1080人にまで増え、月に買い物客が6千人来店するお店に成長しました。
これからも農家さんとお客さん、スタッフがもっと幸せになれるように、楽しい市場を目指して頑張っていきます。これから半年間どうぞよろしくお願いいたします。

みなさんこんにちは。農家さんやお客さんから「見てるよー」と声をかけていただいて、嬉(うれ)しい半面、なんだか少し気恥ずかしく思います。前回のコラムを見てくれた農家さんから励ましの声をいただき、コラムがきっかけで来店された方もいらっしゃいました。嬉しい反響です。ありがとうございます。

今回はハッピーモア市場がスタートしたばかりの頃のお話です。

ハッピーモア市場は「農家のおすそわけの野菜が買える店」を目標にしました。健康のため食材の安全性を気にかけていたからです。

我が家の3人の子供たちは喘息(ぜんそく)やアトピー持ちで、決して体が強い方ではありませんでした。そのため、子供たちが大きくなるまでは外で働けず、子育てをしながら家でできるアパートの管理業をしていました。子供が敏感だったので食や健康、安全に対する意識が高まり、健康に関する勉強を常日頃からしていました。

その頃、よくおじぃとおばぁから農薬不使用、愛情たっぷりの野菜をおすそわけでもらっていました。おすそわけのお野菜って基本的に安全なものですよね。そこからヒントを得て、「農家のおすそわけの野菜が買える店」というコンセプトになったのです。

第一歩は農地を整備するところからです。道と駐車場の整備。ビニールハウスを店舗にしたので、農業用から特殊なビニールハウスへの改良。自家栽培ができるように店内奥に畑も用意しました。お金をかけないように、社長が一人でコツコツ野菜台などをひとつひとつ手作りしました。

スタッフは私と姉を含め女性5人と、男性は社長1人の計6人。そして20人の農家さんと一緒に始めました。集まってくれた農家さん、スタッフへ感謝の気持ちでいっぱいで、このメンバーと共に精いっぱい頑張ろうと決意しました。

店を始めたばかりの頃は素人なりに、がむしゃらに頑張りました。チラシを1万枚ポスティング、開店初日はお客さんや知り合いが大勢来てくれました。正直「これはうまくいくな」と思いました。でも、そんな甘い商売ではなかったのです。

野菜があるのも3日目まで。数人いた大規模農家は「ここに置いても売れないから」と1週間ほどで撤退してしまいました。他の農家もどんどん減り、常に野菜が不足状態、なぜかわかりませんでした。そうなるとお客さんも「野菜がないから」と来てくれません。

農家も客も来ない日々、閑古鳥。焦ってまたポスティングの繰り返しでした。初日は400人だったお客さんも、1週間後には1日100人以下へ…。

農家が来ないので、社長が毎朝早く卸市場に行き、野菜を仕入れました。当時は年中無休で、寝る間も惜しんで働きました。それでも農家、客は増えません。

毎日「どうすればお客さんと農家さんが来てくれるんだろう」と悩んでいるとき、ある農家さんからこう言われました。「農家はお金で動かないよ、心で動くんだよ。毎日一人ずつ電話してお願いしてみなさい」。その言葉にハッとしました。心で動く仕事なんだ、と目からウロコでした。

次の日から毎日農家さんに電話しました。すると、皆野菜をもって来てくれるようになりました。野菜が増えたことでお客さんが増え、その影響でさらに農家と客が来る、と店も少しずつ活気づいていきました。

あの一言のおかげで、今日まで続けてこられました。そこから農家さんとハッピーモア市場の絆ができました。今でも毎日農家さんには電話をかけています。「○○さん元気? 野菜よく売れてるよー、明日も持ってきてねー、いつもありがとうねぇ」「こちらこそありがとう」。農家さんの声で日々癒やされています。

ハッピーモア市場(宜野湾市志真志)には、こだわりの農家さんがいます。そのうちの3人を紹介します。

1人目は立ち上げ当初から一緒に頑張ってくれているお隣近所の農家さん。それまでは家族で食べる量しか栽培していませんでしたが、出品がきっかけで生産量が増えました。売上金で孫たちにごちそうを振る舞ったり、旅行したり、楽しんで農業をしています。「みんなに野菜を食べてもらってお小遣いが入って、デイケア行くより楽しいし、健康になるね。いつもありがとう。ハッピーモア市場があってよかったさぁ」と毎日感謝しながら納品してくれています。こういう声をいただくと、お店を通して皆さんのお役に立つことができて「市場を作ってよかった」と心から思います。

2人目はヤギに襲われながらキャベツ作りを頑張る農家さんです。そう聞くと普通、「え!? どんな危険な農業してるの?」と思いますよね。実は、ヤギの糞(ふん)を肥料として有機農法でキャベツを育てているんです。ヤギも動物なので、機嫌が悪い時は攻撃するそうです。「今日はヤギに蹴られたさー」なんて話しながら納品する日もあります。苦労して育ててくれているこのキャベツ、絶品なんです。美味しい作物の作り手の情熱的な仕事ぶりを見ると、農家さんへの尊敬の気持ちがさらに強くなります。

3人目は野菜をひとつの作品を作るように丁寧に栽培している農家さんです。毎朝、野菜についた虫をひとつひとつ取ることから始まり、丁寧に選別して納品してくれます。「私はお薬を使わずに野菜を作っているのよ」と誰よりも野菜に愛を持って育てています。

愛を込めたお野菜は違いがわかるんです。お客さんからも「ここの野菜は味が違う、美味(おい)しい」と言っていただけます。一生懸命な気持ちは食べる人にも伝わるんですね。

沖縄でとれる島野菜は美味(おい)しいだけじゃなくて、栄養価がすごく高いんです。香りや味、色合いも濃い野菜が多く、ビタミンミネラルもたっぷりで生命力も強いため、日持ちもします。

島野菜を育てている農家さんにも困り事がありました。野菜を作り過ぎてしまったときに、食べきれないことです。もったいないから、とご近所さんにおすそ分けし過ぎると相手にも気を使わせてしまいます。そのため、せっかくできた野菜も畑にすき込んでしまうこともありました。ある農家さんとの出会いも、この悩みがきっかけでした。

来店したお客さんから「親が野菜を作り過ぎて困っているんです、こちらに置かせていただいていいですか」と相談がありました。ぜひ持ってきてください!とお伝えすると、なんとその日の夕方にはたくさんの大根を持って来てくれました。それからは思う存分農業にチャレンジし、納品してくれています。初めて納品してから8年間作り続けて、今では沖縄産の有機コーヒーも栽培しています。

教師を退職した方や事業承継をした経営者が、第二の人生として農業を始めるケースもあります。もともと先生だったこともあって、とっても研究熱心です。畑の環境や土作りについて常に勉強し、野菜と真剣に向き合っています。第二の人生に農業を選び、活躍されている姿は活(い)き活(い)きとして輝いています。

「酵素を作りたい!」というお客さんの気持ちに応えて酵素作り専用の野菜を作る農家さんもいます。最近では若手農業経営者も続々と参入しています。

安全安心な野菜を作り、愛情いっぱいで楽しい農業をしていただき、嬉(うれ)しく思います。これからの農業を担っていく人たちを応援するお店であり続けられるように、今日もハッピーモア市場(宜野湾市志真志)は精いっぱい頑張っていきます。

ハッピーモア市場(宜野湾市志真志)は農業用ビニールハウスを利用した建物です。夏は暑く、冬は寒い環境で営業しています。雨の日にはビニールハウスの隙間から雨漏りもするので、今でも所々にバケツを置いています。「ここは濡れないわよ」なんて言い合うお客様の声もよく聞こえてきます。

ある年、史上最大級の台風が沖縄を直撃しました。家は停電、断水するぐらいの大きな台風でしたから、ビニールハウスはひとたまりもありません。なんと屋根のビニールが半分吹っ飛んでしまったのです。

農業用のビニールハウスは特殊で高額です。すぐには費用を出しきれず、一時的に青いビニールシートで対策をしました。あまりにも修繕に時間がかかり過ぎていたので、お客様も心配だったのでしょう。あるお客様から「ハッピーモア市場がなくなったら困ります。みんなで修繕のカンパをしたいので募金箱を置いてください」と、提案がありました。

正直、「えぇ!お客さんが普通こんなことおっしゃる!?」と思いました。建物の修繕は当然お店側がやることで、お客様にお金を出してもらうものではありません。それなのに、ありがたいことに、お客様自身からカンパしたいと申し出てくださいました。「ハッピーモア市場にはこんなに支えてくれるファンがいてくれるんだ。このお店を続けていけるように頑張ろう」と強く思いました。

あれから長い日数がかかりましたが、自力でビニールを修繕し、建物を復活できました。今は台風対策として、屋根の上に太陽光パネルを設置しています。これも応援してくださるお客様のおかげです。

まだまだツッコミどころ満載のハッピーモア市場ですが、暑さに負けず、寒さに負けず、台風にも負けず頑張ってまいります。

ハッピーモア市場(宜野湾市志真志)では、農家さんから美味(おい)しい食べ方や野菜のこだわりを直接聞けます。目当ての農家さんの入荷を待ってから買うお客さんもいます。農家さんも「自分の野菜のファンからの喜びの声を聞くと何よりも嬉(うれ)しく、作りがいがある」と話してくれます。

ハッピーモア市場の野菜は県外のこだわりの飲食店からも注文が多いです。「同じものでも、沖縄の野菜は味が違う。沖縄のエネルギーが詰まっている」と聞きます。

お客様の中には大変な体験をされた方もいます。若くして難病にかかり、病院治療とともに、ハッピーモアの野菜で食事療法を行いました。無事に克服して子供も授かり、今では元気いっぱい買い物に来られています。お客さんの声から「ハッピーモアの野菜で生かされています」とよく言われます。そういう声は何よりも嬉しくて、私たちの仕事の励みになっています。

数年前、お客さんと女性スタッフが結婚しました。活(い)き活(い)きと働いている姿に一目惚(ぼ)れしたそうです。出会って1カ月での電撃結婚でした。お相手の故郷、愛媛に嫁いで行きました。数カ月後、「ハッピーモア市場に帰りたい」と涙を流していたそうです。でも、今では愛媛で立派なミカン農業経営者としてハッピーモア市場に出品しています。今でもつながりを持てるって素晴らしいことですね。”

ハッピーモア市場(宜野湾市志真志)のスタッフは全員女性です。従来の野菜屋のイメージではなく、「宝石箱を開けたときのようなワクワクドキドキと、ブティックで洋服を選ぶように楽しく野菜を買えるお店をつくろう!」と考えました。そのため、ポップ作りやディスプレイなど創意工夫を店内にたくさん散りばめています。「こんなお店があったらいいな」に近づけるように、スタッフ一人ひとりが毎日想像し実践しています。

スタッフが一番大切にしていることはお客さんとのコミュニケーションです。野菜はどこのお店でも売っています。でも、わざわざここで買いたい、ここに来たい、スタッフに会いたい、と思われるお店にしたいのです。お客さんの中には子供の入学、卒業、結婚や出産の報告までしてくれる方もいます。スタッフも自分のことのように喜び、そして一緒に涙することもあります。お客さんが家族に会いに来るような感覚で来店してほしいのです。

「いつも楽しそうに仕事してるね」と言われるスタッフですが、仕事が盛りだくさんです。レジ販売、バイヤー業、宅配、SNSでの広告など、一人で何役もこなしています。レジ打ちをしながらお客さんからの質問に答えないといけないのでかなり大変な仕事です。お客さんの期待に応えるため、野菜のことなどを日々勉強しています。

お客さんや農家さんからおいしい食べ方や効能などを教わることも多くあります。今ではハッピーモア市場の看板商品になっている「野菜スムージー」も実はお客さんからのアドバイスでした。「東京では駅前でスムージーが流行(はや)っているわよ。ハッピーの野菜でも作ってみたらどう?」と言われ、試行錯誤し、今のスムージーができました。

毎日の仕事で新たな発見や学び、働く喜びを感じていける職場でありたいです。

ハッピーモア市場(宜野湾市志真志)は、お客さんのために自ら考えて行動し、仲間と共に成長したいと考える方を採用しています。

せっかくのご縁で一緒に仕事をすることになったのだから共に学び、成長できる職場にしていきたい。それには、みんなと協力し合い、思いやりを持って真面目に働くことこそが大切だと思っています。

仕事は決して楽ではありませんが、とてもやりがいがあります。自分のアイディアを現場で試して、実際にお客さんの目にふれ、生の声が聞けるので、仕事がより楽しくなっていきます。店内のポップは全てスタッフが作ったものです。スタッフの頑張りで、県内のみならず、なんと国外からも視察団がいらっしゃいます。

ハッピーモアでは「一人一人が経営者である」という心構えを持っています。毎朝の朝礼で、ラジオ体操、企業理念の唱和を行います。ハッピーモアの経営理念は(1)全従業員の物心両面の幸福を追求すること(2)人類の幸福と繁栄に貢献すること―です。この中には企業の方向性、従業員の行動規範、社風の良質化、社会への貢献を含んでいます。

次に、あいさつの練習や業務の確認作業など、お客さんを気持ちよくお迎えするためのトレーニングも行っています。あいさつは「相手を喜ばせるための大切なツール」なので、「ようこそハッピーモア市場へ!」という気持ちを込めてあいさつしています。

ハッピーモア市場は大通りから外れた場所にあり、簡単にはたどり着けません。通りすがりではなく、ハッピーモア市場を目指してくる方がほとんどです。わざわざ来てくれるお客さんのためにもあいさつやコミュニケーションが重要です。来てもらったお客さんに「また次も行きたい」と思わせるようなお店づくりをするために今日も元気いっぱいの笑顔で働いています。

手作りでコツコツ作り上げたハッピーモア市場(宜野湾市志真志)。立ち上げる前に銀行や同業者の方々から「今から野菜屋を始めるのは、やめたほうがいいですよ」と反対されていました。

開店当初は野菜だけではなくレンタルブースとして店内一部に雑貨を置いていました。コンセプトが全く定まっておらず「何屋なの?」「おもしろい店だね」などと笑われていました。あの頃は必死でしたが、正直、迷走していました。今では笑い話です。

商売は甘くはなく5年間は赤字続きでした。がんばっても先が見えす、途方にくれる日もありました。当時は子供2人の大学進学と重なり、かなりの資金を必要としていたのです。「がんばって諦めなければ必ず報われる」「神様に試されているんだ、乗り越えられない試練は与えない」と夫と励まし合っていました。

6年目にしてやっと一つの転機を迎えました。中小企業を支援する「経営革新計画」が沖縄県から承認されたのです。承認後は、県の補助を受け県主催のイベントへ積極的に参加しました。さらに沖縄食材の店にも登録し、外への周知活動に力を入れました。藁(わら)にもすがる思いで小さなチャンスも見逃しませんでした。

CMなどで一生懸命宣伝した結果、少しずつ雑誌やラジオ、テレビの取材が来るようになりました。その甲斐(かい)あって、今では順調に売り上げや客数も上がり、認知度も出てきました。

最近の一番うれしいことが、10年目にしてやっと駐車場の舗装ができたことです。今までご迷惑をかけていた砂利道からアスファルトになったのです。道路舗装には莫大(ばくだい)なお金がかかります。10年目にしてやっと、道路に費用を回せるようなめどが付き、舗装に踏み切ることができました。

これも私たちにチャンスを与え、サポートしてくださった皆様のおかげです。

ハッピーモア市場(宜野湾市志真志)の目指すお店はアメリカにあるホールフーズマーケットです。全米で展開するオーガニックスーパーです。

ニューヨークに遊びに行った時に初めてホールフーズマーケットに出会い、すぐに虜(とりこ)になってしまいました。高く積み上げられた新鮮な野菜やフルーツ、他にもサラダや作りたてのスープがたくさん並んでキラキラ輝いていました。どれも美味(おい)しくて、毎朝どころか一日に何度も通ってしまうほど魅力的なお店なんです。「このお店の近くに住みたい!」と思うほど。私はこのお店に「ときめき」を感じたのです。ハッピーモア市場も行くだけでドキドキする「ときめき」を届けられる、そんなお店にしたいと強く思いました。

ハッピーモア市場で感じてもらえる「ときめき」とは何でしょうか。自然な沖縄らしさもそうですが、一番は野菜を通して人と人とが繋(つな)がる、そういうところだと思います。不思議なことに、このお店には活(い)き活(い)きした人が集まってくるのです。出会いの場であるお店を通して、ハッピーになってもらいたいのです。

私たちが今取り組んでいることは、お店の隣の畑での認知症予防の講座です。畑作りから始まり、作物を育てる、そして出品の体験です。今まで外にも出られなかった方が講座がきっかけで元気になったという声も聞いています。畑を通して良いエネルギーをもらうと元気になるんです。自然はすごい力を持っています。

お客さん、農家さん、スタッフなどとお互いに支え合い、地域にとってなくてはならないお店としていつまでも役に立てるように頑張って参ります。

今回で最後の執筆です。人生初の執筆でしたので、不安でいっぱいでしたが皆さんのおかげで最後まで書ききることができました。ありがとうございました。

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